2023年1月8日の説教要旨 イザヤ書52:7-10・使徒言行録10:34-48

「全ての人の主」       加藤 秀久牧師

*はじめに

本日の使徒言行録10章の始めでは、カイサリアにコルネリウスという人がいて「イタリア隊」と呼ばれる部隊の百人隊長でしたが、ユダヤ人ではありませんでした。しかし彼は、ユダヤ人の信じている神様を信じていました。ある日、彼に天使が現れて、ペトロという使徒を招くように、と、お告げを受けました。それで彼は、召使と兵士の3人をペトロの所に送り出しました。翌日、ペトロのところにも、神様は幻を通して語りかけられました。天から大きな布が四方を吊るされて下りてきて、その中にあらゆる獣や、地を這うものや、空の鳥が入っており、「これを屠(ほふ)って食べなさい」と、言われる幻でした。

神が清めた物を、清くないなどと、あなたは言ってはならない

ユダヤ人は、神の民として自分達を清く保つために律法を守っていて、ペトロが見たその布の中には、汚れていて食べてはならないと言われている生き物が沢山入っていました。ペトロは、神様から食べなさいとの命令に、「主よ、とんでもないことです。清くない物、汚れた物は何一つ食べたことがありません」とこたえました。ペトロにとって律法を守ることは当然のことでした。しかしペトロに神様は、「神が清めた物を、清くないなどと、あなたは言ってはならない」と三度もくり返され、布は天に引き上げられました。

*聖霊の導きによる異邦人伝道

ペトロが今見た幻のことを考えていると、コルネリウスの使いがペトロの家を捜し当ててやってきました。すると聖霊がペトロに、「ためらわないで一緒に出発しなさい。わたしがあの者たちをよこしたのだ」と、コルネリウスのところへ行くように促しました。ペトロは使いの者達から、コルネリウスも天使からお告げを受けたことを聞いて、彼らと一緒に出発してカイサリアに到着し、ペトロの話を聞くために大勢の人が集まっていたところで福音を語りました。これまでペトロは、同胞のユダヤ人たちに、「イエス・キリストこそ我々が待ち望み、聖書に預言されていた救い主である」ことを語ってきましたが、今度は、接触(交わり)を拒んできた異邦人(ユダヤ人以外の外国人)に対して初めて福音を伝えたのです。イエス様のことを伝える言葉には力があり、命があり、愛が伴います。そこで聞いていた人達の上に聖霊が降りました。ペトロと一緒に来た人は、聖霊の賜物が異邦人にも注がれるのを見て大いに驚きました(45節)。

 わたしたちもペトロと同じように、このことのためにな自分が用いられる、あるいは遣わされていると感じたことはないでしょうか。特に、新年を迎えたこの時期、多くの人々が神様を求めて神社やお寺にお参りに行く姿を目にしましたが、その人達がある日、何かのきっかけにより、真実の霊、神様の霊に触れる時、彼らは神様の霊に出会い、神様の所へ、神様を礼拝するために、教会へと足を運ぶことになることを私達は知っています。そのことを神様に期待し、信じていきたいと思います。

いかに美しいことか 山々を行き巡り、良い知らせを伝える者の足は。彼は平和を告げ、恵みの良い知らせを伝え 救いを告げ あなたの神は王となられた、と シオンに向かって呼ばわる。」イザヤ52:7

神の御子イエス様が人のかたちを取られてこの地上に来られたことは、私達にとって、とても素晴らしい出来事です。そのイエス様の語る神様の言葉や、不思議な業や、奇跡などは多くの人々に大きな影響を与え、それらはイエス様が亡くなられた後では、イエス様の行いや神様の出来事を伝えることになったのが弟子たちであり、ペトロであり、私たち神様を信じる者たちに委ねられています。ですから私達は、神様の言葉に目を向け、神様の霊の中で憩い、歩み、私達に委ねられている福音、神様のこと、イエス様のことをさらに知る必要があると思います。

このことは、わたしたちの心に平和をもたらし、幸福をもたらし、救いをもたらすことを本日の聖書は伝えています。私達は、このイエス様の霊、神様の言葉に胸を弾ませながら、2023年の歩みが祝福されるように祈り、期待をしながら今週一週間の歩みを始めて参りましょう。