「神の前に正しく生きる」 佐藤義子 牧師

/n[詩篇] 146:1-10 1 ハレルヤ。わたしの魂よ、主を賛美せよ。 2 命のある限り、わたしは主を賛美し/長らえる限り/わたしの神にほめ歌をうたおう。 3 君侯に依り頼んではならない。人間には救う力はない。 4 霊が人間を去れば/人間は自分の属する土に帰り/その日、彼の思いも滅びる。 5 いかに幸いなことか/ヤコブの神を助けと頼み/主なるその神を待ち望む人 6 天地を造り/海とその中にあるすべてのものを造られた神を。とこしえにまことを守られる主は 7 虐げられている人のために裁きをし/飢えている人にパンをお与えになる。主は捕われ人を解き放ち 8 主は見えない人の目を開き/主はうずくまっている人を起こされる。主は従う人を愛し 9 主は寄留の民を守り/みなしごとやもめを励まされる。しかし主は、逆らう者の道をくつがえされる。 10 主はとこしえに王。シオンよ、あなたの神は代々に王。ハレルヤ。 /n[使徒言行録] 4章1ー22節 1 ペトロとヨハネが民衆に話をしていると、祭司たち、神殿守衛長、サドカイ派の人々が近づいて来た。 2 二人が民衆に教え、イエスに起こった死者の中からの復活を宣べ伝えているので、彼らはいらだち、 3 二人を捕らえて翌日まで牢に入れた。既に日暮れだったからである。 4 しかし、二人の語った言葉を聞いて信じた人は多く、男の数が五千人ほどになった。 5 次の日、議員、長老、律法学者たちがエルサレムに集まった。 6 大祭司アンナスとカイアファとヨハネとアレクサンドロと大祭司一族が集まった。 7 そして、使徒たちを真ん中に立たせて、「お前たちは何の権威によって、だれの名によってああいうことをしたのか」と尋問した。 8 そのとき、ペトロは聖霊に満たされて言った。「民の議員、また長老の方々、 9 今日わたしたちが取り調べを受けているのは、病人に対する善い行いと、その人が何によっていやされたかということについてであるならば、 10 あなたがたもイスラエルの民全体も知っていただきたい。この人が良くなって、皆さんの前に立っているのは、あなたがたが十字架につけて殺し、神が死者の中から復活させられたあのナザレの人、イエス・キリストの名によるものです。 11 この方こそ、/『あなたがた家を建てる者に捨てられたが、/隅の親石となった石』/です。 12 ほかのだれによっても、救いは得られません。わたしたちが救われるべき名は、天下にこの名のほか、人間には与えられていないのです。」 13 議員や他の者たちは、ペトロとヨハネの大胆な態度を見、しかも二人が無学な普通の人であることを知って驚き、また、イエスと一緒にいた者であるということも分かった。 14 しかし、足をいやしていただいた人がそばに立っているのを見ては、ひと言も言い返せなかった。 15 そこで、二人に議場を去るように命じてから、相談して、 16 言った。「あの者たちをどうしたらよいだろう。彼らが行った目覚ましいしるしは、エルサレムに住むすべての人に知れ渡っており、それを否定することはできない。 17 しかし、このことがこれ以上民衆の間に広まらないように、今後あの名によってだれにも話すなと脅しておこう。」 18 そして、二人を呼び戻し、決してイエスの名によって話したり、教えたりしないようにと命令した。 19 しかし、ペトロとヨハネは答えた。「神に従わないであなたがたに従うことが、神の前に正しいかどうか、考えてください。 20 わたしたちは、見たことや聞いたことを話さないではいられないのです。」 21 議員や他の者たちは、二人を更に脅してから釈放した。皆の者がこの出来事について神を賛美していたので、民衆を恐れて、どう処罰してよいか分からなかったからである。 22 このしるしによっていやしていただいた人は、四十歳を過ぎていた。 /nはじめに  今日の聖書は大きく三つに分けられます。一つは、ペトロとヨハネが神殿で説教していた時に捕まって牢に入れられたこと。二つ目はペトロとヨハネが議会に引き出されて尋問され、それに対する二人の弁明、そして最後に議会側の脅迫と、それに対するペトロとヨハネの抗議です。 /n背景  エルサレム神殿の「美しい門」のそばで、足の不自由な40歳過ぎの男が毎日物乞いをしていました。ある日祈る為に神殿を訪れたペトロとヤコブはこの男から施しを乞われました。その時二人は「金銀は私にはないが持っているものをあげよう。ナザレの人、イエス・キリストの名によって立ち上がり歩きなさい」と命じました。その結果それ迄一度も歩いたことのないこの男の人が立って歩き出し、ペトロ達と一緒に神殿に入ったのです。この人が喜び、歩き廻り、神様を賛美する姿を見て、彼が物乞いをしていた男だとわかった民衆は我を忘れるほど驚き、集まってきました。 /nペトロの説教とその結果  ペトロは「この人がいやされたのは、あなた方が十字架につけて殺してしまった、しかし神が死者の中から復活させて下さった、あの、イエス・キリストの名によってなされた神の業である。だから自分の罪が赦されるように悔い改めて神のもとに立ち帰りなさい」と、語りました。 説教がまだ終らない中、神殿の管理監督をしていた祭司や神殿守衛長、サドカイ派の人達が駆けつけてきました。彼らは現状の平和が乱されることを嫌い、人だかりに神経をとがらせ、又、既に死んだ「イエス・キリストの名によるいやし」と、「イエス・キリストの復活について語っている」ことに、特にサドカイ派(復活も天使も認めない)の人々はいらだち、<彼らの言動を議会で審議をする>として、二人を牢に拘束しました。その一方で、多くの民衆は奇跡の出来事とペトロの説教が心の中にまで入り、イエスに向かって悔い改めよう!イエスこそメシア・救い主であったのだ!との確信が与えられ「二人の語った言葉を聞いて信じた人は多く、男の数は5千人ほどに」なりました(4節)。 /n最高議会での尋問と弁明  ペトロとヨハネが引き出されたのは、71人の議員が囲む形の最高法院でした。ここには宗教上の権威だけでなく行政権、裁判権もありました。尋問は、二人が何の権威によって誰の名によって足の不自由な男の人をいやしたのか、が問われました。ペトロは、「この人がいやされたのは、あなた方が殺し、神が死者の中から復活させられたあのイエス・キリストの名によるものです。他の誰によっても救いは得られません。私達が救われるべき名は、天下にこの名のほか、人間には与えられていないのです。」(10・12節)と、自信と確信をもって堂々と語りました。 この弁明は、今日もなお宣教の中心であり、今朝の私共の伝道所での礼拝メッセージでもあります。救いはイエス・キリストにあります。この方を除いて他に救い主はおられません。この方が私達に罪の赦しを与える為に十字架の死を引き受けて下り、神様と私達の間にあった隔てを取り除き、和解の道を開かれました。救いはここにあります。 /n議会側の脅迫と、ペトロとヨハネの抗議  ペトロとヨハネの大胆な弁明、そして彼らが無学な普通の人であり、かつて自分達が死刑を決めた、あのイエスの仲間であることも知り、更にいやされた証人を目の前にして、議会は一言も言い返せず、結果として、これ以上伝道活動をしてはならないと脅し、禁止命令を出しました。    この判決に二人は抗議します。「神に従わないであなた方に従うことが、神の前に正しいかどうか考えて下さい。私達は見た事や聞いた事を話さないではいられないのです」(19節)。パウロも、「こんなことを言って今、私は人に取り入ろうとしているのでしょうか。それとも神に取り入ろうとしているのでしょうか。或いは、何とかして人の気に入ろうとあくせくしているのでしょうか。もし、今なお人の気に入ろうとしているなら私はキリストの僕ではありません。」(ガラテヤ1:10)と語ります。 私達も「神の前に正しく生きる道」を歩む者とされたいと願うものです。