「回心後のパウロ」 佐藤義子 牧師

/n[詩編] 3編2ー9節 2 主よ、わたしを苦しめる者は/どこまで増えるのでしょうか。多くの者がわたしに立ち向かい 3 多くの者がわたしに言います/「彼に神の救いなどあるものか」と。〔セラ 4 主よ、それでも/あなたはわたしの盾、わたしの栄え/わたしの頭を高くあげてくださる方。 5 主に向かって声をあげれば/聖なる山から答えてくださいます。〔セラ 6 身を横たえて眠り/わたしはまた、目覚めます。主が支えていてくださいます。 7 いかに多くの民に包囲されても/決して恐れません。 8 主よ、立ち上がってください。わたしの神よ、お救いください。すべての敵の顎を打ち/神に逆らう者の歯を砕いてください。 9 救いは主のもとにあります。あなたの祝福が/あなたの民の上にありますように。〔セラ /n[使徒言行録] 9章19bー31節 19b サウロは数日の間、ダマスコの弟子たちと一緒にいて、 20 すぐあちこちの会堂で、「この人こそ神の子である」と、イエスのことを宣べ伝えた。 21 これを聞いた人々は皆、非常に驚いて言った。「あれは、エルサレムでこの名を呼び求める者たちを滅ぼしていた男ではないか。また、ここへやって来たのも、彼らを縛り上げ、祭司長たちのところへ連行するためではなかったか。」 22 しかし、サウロはますます力を得て、イエスがメシアであることを論証し、ダマスコに住んでいるユダヤ人をうろたえさせた。 23 かなりの日数がたって、ユダヤ人はサウロを殺そうとたくらんだが、 24 この陰謀はサウロの知るところとなった。しかし、ユダヤ人は彼を殺そうと、昼も夜も町の門で見張っていた。 25 そこで、サウロの弟子たちは、夜の間に彼を連れ出し、籠に乗せて町の城壁づたいにつり降ろした。 26 サウロはエルサレムに着き、弟子の仲間に加わろうとしたが、皆は彼を弟子だとは信じないで恐れた。 27 しかしバルナバは、サウロを連れて使徒たちのところへ案内し、サウロが旅の途中で主に出会い、主に語りかけられ、ダマスコでイエスの名によって大胆に宣教した次第を説明した。 28 それで、サウロはエルサレムで使徒たちと自由に行き来し、主の名によって恐れずに教えるようになった。 29 また、ギリシア語を話すユダヤ人と語り、議論もしたが、彼らはサウロを殺そうとねらっていた。 30 それを知った兄弟たちは、サウロを連れてカイサリアに下り、そこからタルソスへ出発させた。 31 こうして、教会はユダヤ、ガリラヤ、サマリアの全地方で平和を保ち、主を畏れ、聖霊の慰めを受け、基礎が固まって発展し、信者の数が増えていった。 /nはじめに  パウロは自分を、「アブラハムの子孫であり、生まれて8日目に割礼を受け、ベニヤミン族の出身でヘブライ人の中のヘブライ人です」(フィリピ3:5)と紹介し、更に、「私は先祖からの伝承を守るのに 人一倍熱心で、同胞の間では同じ年頃の多くの者よりも、ユダヤ教に徹しようとしていました。」(ガラテヤ1:14)と記しています。ヘレニズム文化の都市・タルソスで成長し、ギリシャ語に堪能でローマの市民権をもつ彼は、エルサレムの有名な律法の教師ガマリエルの門下生として、熱心なユダヤ教徒でした。 /nパウロの回心  その彼がダマスコ途上で復活の主イエスに出会い、主イエスを自分の主として受け入れたのです。パウロは変えられた自分を「キリスト・イエスの僕、神の福音のために選びだされ、召されて使徒となったパウロ」(ロマ1:1)と記しました。彼はそれ迄の考え方「人が救われるのは律法を守るという行為による」のではなく「イエス・キリストを信じることによる」ことを知り、神の愛・キリストの愛が自分を見出してくれたことを知りました。自分には誇るものが何もないことを知ったのです。 /nダマスコで  回心したパウロは、ダマスコにあるユダヤ教の会堂で、「イエスこそ神の子である」と、旧約聖書のメシア預言がイエス・キリストにおいて成就したことを大胆に宣べ伝えました。 すぐさま驚きの反響が広がり、今度はパウロがユダヤ人から命をねらわれるようになります。ユダヤ人はパウロを殺そうと昼も夜も町の門で見張りましたので、キリスト者の仲間が夜の間にパウロを籠に乗せて城壁づたいに外へつり下ろしました。 /nエルサレムで  キリスト者パウロとして、彼は主イエスの弟子達に会いにいきますが、迫害者として名が知られていた為、弟子達はパウロに対して不信と恐れを抱きました。しかしバルナバはパウロを信じ、受け入れ、使徒達の所へ案内し、神様がパウロになさった出来事を説明しました。それによってパウロはエルサレムの使徒達と交わり、ユダヤ人伝道を続け、再びユダヤ人から命をねらわれます。そこで仲間達は彼をタルソスへ向かわせました。 /n「こうして教会はユダヤ、サマリアの全地方で平和を保ち、主を畏れ、聖霊の慰めを受け、基礎が固まって発展し、信者の数が増えて」(31節)   私達の伝道所の、祈りの目標がここにあります。聖霊は、父なる神と子なる神(キリスト)と並んで永遠の神です。この聖霊が慰め主であり、真理の霊としてイエス様がご自分の代わりに送って下さった霊です。聖霊の働き無くしては教会の存続も信仰者の誕生もありません。使徒言行録時代に豊かに注がれた聖霊が、私達の伝道所にも、そして私達一人一人にも豊かに与えられるよう、祈り求めましょう。