「キリストの復活」 佐藤義子 牧師

/n[イザヤ書] 25章7-10節 7 主はこの山で/すべての民の顔を包んでいた布と/すべての国を覆っていた布を滅ぼし 8 死を永久に滅ぼしてくださる。主なる神は、すべての顔から涙をぬぐい/御自分の民の恥を/地上からぬぐい去ってくださる。これは主が語られたことである。 9 その日には、人は言う。見よ、この方こそわたしたちの神。わたしたちは待ち望んでいた。この方がわたしたちを救ってくださる。この方こそわたしたちが待ち望んでいた主。その救いを祝って喜び躍ろう。 10 主の御手はこの山の上にとどまる。モアブは主の下に踏みにじられる/わらが踏みつけられて堆肥の山にされるように。 /n[コリントの信徒への手紙一] 15章1-11節 1 兄弟たち、わたしがあなたがたに告げ知らせた福音を、ここでもう一度知らせます。これは、あなたがたが受け入れ、生活のよりどころとしている福音にほかなりません。 2 どんな言葉でわたしが福音を告げ知らせたか、しっかり覚えていれば、あなたがたはこの福音によって救われます。さもないと、あなたがたが信じたこと自体が、無駄になってしまうでしょう。 3 最も大切なこととしてわたしがあなたがたに伝えたのは、わたしも受けたものです。すなわち、キリストが、聖書に書いてあるとおりわたしたちの罪のために死んだこと、 4 葬られたこと、また、聖書に書いてあるとおり三日目に復活したこと、 5 ケファに現れ、その後十二人に現れたことです。 6 次いで、五百人以上もの兄弟たちに同時に現れました。そのうちの何人かは既に眠りについたにしろ、大部分は今なお生き残っています。 7 次いで、ヤコブに現れ、その後すべての使徒に現れ、 8 そして最後に、月足らずで生まれたようなわたしにも現れました。 9 わたしは、神の教会を迫害したのですから、使徒たちの中でもいちばん小さな者であり、使徒と呼ばれる値打ちのない者です。 10 神の恵みによって今日のわたしがあるのです。そして、わたしに与えられた神の恵みは無駄にならず、わたしは他のすべての使徒よりずっと多く働きました。しかし、働いたのは、実はわたしではなく、わたしと共にある神の恵みなのです。 11 とにかく、わたしにしても彼らにしても、このように宣べ伝えているのですし、あなたがたはこのように信じたのでした。 /nはじめに  アメリカでお世話になったベックさんは、毎年決まってイースターに同じメールを下さいます。それは「<span style="font-weight:bold;">HE IS RISEN!</span>」。今日は全世界で、太陽が昇る順序で、この言葉が駆け巡っていくのではないでしょうか。訳せば、「彼はよみがえられた。」「イエス様は父なる神様によってよみがえさせられた」です。 /n死と葬りと復活  イエス様が十字架にかけられて殺されたのは金曜日でした。午前9時に十字架につけられ、昼の12時に全地が暗くなり午後3時まで続き、午後3時にイエス様は大声で叫ばれて息をひきとられました(マルコ福音書15:25-)。夕方になって議員であったアリマタヤ出身のヨセフが、勇気を出して、総督ピラトに「十字架上のイエス様の遺体を十字架からおろして引き渡して」くれるように交渉し、許可をとり、新しい亜麻布でイエス様の遺体を巻き、岩を掘って作った墓の中に納めました。そして墓の入口には石を転がしてふさぎました。(同15:42-46)。金曜日の日没から始まった安息日が過ぎて、三日目の日曜日の明け方、墓を訪れた女達は、墓の入り口をふさいでいた大きな石がわきに転がされているのを見ます。そして白い長い衣を着た若者から『<span style="font-weight:bold;">ナザレのイエスは復活した</span>』と聞かされました。 /n福音によって救われる  今日の聖書で、著者パウロは「<span style="font-weight:bold;">どんな言葉で私が福音を告げ知らせたか、しっかり覚えていれば、あなた方はこの福音によって救われます</span>」と明言しています。この福音とは、「<span style="font-weight:bold;">最も大切なこととして私があなた方に伝えたのは、私も受けたものです。すなわちキリストが聖書に書いてある通り、私達の罪の為に死んだこと、葬られたこと、また聖書に書いてある通り三日目に復活したこと・・</span>」です。パウロが第一に知らせたことは、キリストが死んだということです。この事実は、キリストが私達の罪の為に死んだからこそ、救いの使信となっており、キリストが私達の罪のために死んだからこそ、罪はもう私達を滅ぼすものとはならず、私達は罪と裁きから解放されているのです。第二に伝えたのはキリストが葬られたということです。それによって、キリストは完全に死んだということです。そこに神様が新しい命へのよみがえりの準備をされたということです。第三に伝えたのは、三日目にキリストはよみがえらされたということです。そしてこのことは預言の成就でありました。 /n復活の証人  弟子達は復活されたイエス様に出会い、復活の証人とされました。パウロは自分自身を、その証人の最後に書き連ねます。パウロは生前のイエス様にお会いしていませんが「最後に、月足らずで生まれたような私にも現れた」と断言します。パウロが使徒として歩んだのは、他の弟子達よりもかなり遅れて、キリスト者を迫害している最中に、復活のイエス様の声を天から聞いた時からです。パウロの生涯の前半は、まさにイエス様への反逆の歩みでした。しかし彼はイエス様から過去の罪を、完全な赦しをもって廃棄していただき、恵みのわざを受けたのです。パウロは復活のイエス様に出会った後の感謝と喜びが一つとなって、そこから豊かな実りが生じました。私達も又、パウロに続く者です。イエス様の十字架によって罪が赦され、新しい歩みへと導き出された者です。「<span style="font-weight:bold;">HE IS RISEN!</span>」。死は打ち砕かれました。私達も証人の一人です。