2022年7月24日の説教要旨  列王記上10:1-13・Ⅰテモテ3:14-16

「隠された真理」       加藤 秀久伝道師

*はじめに

私たちにとって神様とはどのようなお方なのでしょうか。

神様は、遠くに感じられる時がある反面、すぐ近くにいて下さると感じる時もあるように思います。

昔、礼拝場所としての神殿がまだなかった時、ダビデの息子ソロモンは、ギデオンの地にある重要な礼拝場所であった高台に行って、千頭もの焼き尽くす献げものをささげました。これはソロモンの、神様に対する献身と感謝の表われと言えますが、この時のソロモンにとって、神様は、遠くにおられるような存在だったように思います。

何事でも願うがよい。あなたに与えよう」(3:5)

ところがその夜、神様はソロモンの夢枕に立ち、「何事でも願うがよい」と言われました。その言葉に対してソロモンは、次のように答えています。

わが神、主よ、あなたは父ダビデに代わる王として、このしもべをお立てになりました。しかし、わたしは取るに足らない若者で、どのようにふるまうべきかを知りません。」 彼は、王として、日常の務めや礼拝に対する姿勢、王としての品性、民をまとめる能力が備わっていない不安を訴えたのでしょう。ソロモンは神様に、以下のように願い出たのです。

どうか、あなたの民を正しく裁き、善と悪を判断することができるように、この僕に聞き分ける心をお与えください。

*主はソロモンのこの願いをお喜びになった。(同10節)

神様は、ソロモンが自分のために長寿や富を求めず、人々の訴えを正しく聞き分ける知恵を求めたことを喜ばれ、ソロモンに、知恵に満ちた賢明な心と、それに加えて、富と栄光、長寿をも恵みとしてお与えになる約束をされました。こうしてソロモンは、神様に出会い、神様が近くに、共におられる体験をしたのでした。そしてソロモンは、神様からいただく知恵によって正しい裁きを行い、人々は皆、王を畏れ敬うようになりました。

*シェバの女王の来訪

本日の10章では、ソロモン王の名声を聞き、難問でソロモンを試そうとやってきたシェバ(現在のイエメン)の女王が、香料や非常に多くの金や宝石をらくだに積んでエルサレムにやって来た出来事が記されています。女王は、用意してきたすべての質問にソロモンがすべて答えたその知恵や、彼の建てた宮殿を目の当たりにし、又、食卓の料理、家臣や給仕たち見て、息も止まるような思いであったこと、そして帰る時には、家臣たちが幸せであることや、ソロモンを王座に就かせた神様をほめたたえる言葉を残し、ソロモン王に多くの高価な品々を贈りました。

*神の家(=神の教会)でのあるべき生活

本日のテモテ書3章には教会の指導者や奉仕者たちの在り方について記されており、本日の箇所では「神の家」を次のように説明しています。「神の家とは、真理の柱であり土台である生ける神の教会です。

私達が毎週、礼拝で集う「神の教会」は、先ず「真理=イエス・キリストに於いて現わされた神様の啓示」を「柱とし、土台としている」神様の教会であり、この神様は今も生きて働かれている神様であり「死んだ偶像ではない」ことを伝えます。そして16節は、「キリスト賛歌」からの引用と言われていますが、「信心(信仰)の秘められた真理=神様への畏敬と、それにふさわし生活態度」は、神様を信じる者たちに力を与え、十字架の死と復活と昇天を通して義とされ、霊の領域に移されたイエス様の、地上における世界的な宣教と勝利が歌われています。

*わたしたち

神の家で、神様を信頼し、神様と関係を持つ私達は「清い良心の中に信仰の秘められた真理を持っている(9節)」ことが求められています。ソロモンは願い通りに、知恵に満ちた賢明な心が与えられ、神様の栄光を現し、シェバの女王もソロモンを通して神様の大いなる恵みを見聞して、神をほめたたえ、ソロモンから豊かな贈り物を受けました。

その神様が今、私達を祝福するために、一つ所に集まり礼拝することを求めておられます。私達は、信仰の秘められた真理を知らされています。

神様への畏敬と、神様の恵みにふさわしい礼拝者でありたいと願います。