クリスマス礼拝 「救い主の誕生」 佐藤義子 牧師

/n[詩篇] 103:1-13 1 わたしの魂よ、主をたたえよ。わたしの内にあるものはこぞって/聖なる御名をたたえよ。 2 わたしの魂よ、主をたたえよ。主の御計らいを何ひとつ忘れてはならない。 3 主はお前の罪をことごとく赦し/病をすべて癒し 4 命を墓から贖い出してくださる。慈しみと憐れみの冠を授け 5 長らえる限り良いものに満ち足らせ/鷲のような若さを新たにしてくださる。 6 主はすべて虐げられている人のために/恵みの御業と裁きを行われる。 7 主は御自分の道をモーセに/御業をイスラエルの子らに示された。 8 主は憐れみ深く、恵みに富み/忍耐強く、慈しみは大きい。 9 永久に責めることはなく/とこしえに怒り続けられることはない。 10 主はわたしたちを/罪に応じてあしらわれることなく/わたしたちの悪に従って報いられることもない。 11 天が地を超えて高いように/慈しみは主を畏れる人を超えて大きい。 12 東が西から遠い程/わたしたちの背きの罪を遠ざけてくださる。 13 父がその子を憐れむように/主は主を畏れる人を憐れんでくださる。 /n[ルカによる福音書] 2章8-21節 8 その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。 9 すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。 10 天使は言った。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。 11 今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。 12 あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」 13 すると、突然、この天使に天の大軍が加わり、神を賛美して言った。 14 「いと高きところには栄光、神にあれ、/地には平和、御心に適う人にあれ。」 15 天使たちが離れて天に去ったとき、羊飼いたちは、「さあ、ベツレヘムへ行こう。主が知らせてくださったその出来事を見ようではないか」と話し合った。 16 そして急いで行って、マリアとヨセフ、また飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子を探し当てた。 17 その光景を見て、羊飼いたちは、この幼子について天使が話してくれたことを人々に知らせた。 18 聞いた者は皆、羊飼いたちの話を不思議に思った。 19 しかし、マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた。 20 羊飼いたちは、見聞きしたことがすべて天使の話したとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。 21 八日たって割礼の日を迎えたとき、幼子はイエスと名付けられた。これは、胎内に宿る前に天使から示された名である。 /nはじめに  クリスマスは「the Mass of Christ」、Massとはミサ、聖なる祭り、Christはキリスト、つまり「クリスマス」とは「キリストの聖なる祭り」のことです。キリスト抜きのクリスマスイベントが日本でも盛んになりましたが、日頃教会に目を向けない人達もクリスマスだけは教会に行こう!との思いが与えられ、クリスマスの本当の意味に触れるようにと祈ります。 /n三重の誕生  キリスト教大事典によれば、ローマカトリックではクリスマスに3回のミサが行われます。これはキリストの三重の誕生を象徴しているとのことです。イエス・キリストは父なる神のふところに生まれ、人としてマリアから生まれ、そしてイエス・キリストを信じる私達キリスト者の魂における誕生という三重です。今朝、私達は私達の魂の中にイエス様をお迎えし、イエス様に住んでいただく「うつわ」とさせていただきたく御言葉に耳を傾けたいと思います。 ____________________________ /n天からの光  暗い夜の中を、野宿していた羊飼いの前に、突然天からの光があたりを照らしました。私達の知っているこの世の光ではなく、「主の栄光」・・天からの聖なる輝きの光で人知を超えたもの・・であったがゆえに羊飼い達は恐怖を感じました。「非常に恐れた」(9節)の原語は「大きな恐れを恐れた」、心臓が止まるくらいの驚き、体に戦慄が走るような恐怖だったのでしょう。天使は羊飼い達にこう語りました。「恐れるな。私は、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなた方のために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。」(10-11節)。ダビデの町とはベツレヘムのことです。天使は、?今日、ベツレヘムであなたがたの為に救い主が生まれた。?この方は、あなたがたが待っていた主、つまり神の子キリストである。この二つの喜びのニュースを告げました。 /n二つのしるし  天使が示したメシアのしるし、それは「布にくるまれている」こと、そして「飼い葉おけに寝かされている」乳飲み子でした。いと低き姿における救い主の誕生において、いと高き神の栄光があらわされるのです。 /nグロリア・イン・エクセルシス  この後さらに天の軍勢が加わって、「いと高きところには栄光、神にあれ。地には平和、御心に適う人にあれ。」と賛美がささげられました。これはラテン語訳(最初の原語訳)から「グロリア・イン・エクセルシス」と呼ばれています。天には神の栄光と、地上には、神様の御心にかなう人(神様の望む人)に神様の平和と救いがあるという、天上と地上がここでつながります。地上で神様の意志が行われる時、そこに平和が臨み天の栄光は輝きます。(逆に、地上で神様の意志に反する憎しみ、裏切り、戦いなどが起これば、天の栄光が輝くことはありません)。 /n神様の出来事  天使はこの出来事(救い主誕生)が人間社会の出来事ではなく、一方的に、神様の出来事として人間社会に与えられたことを伝えています。それゆえヨセフもマリアも奉仕者にすぎず、その名は出てきません。 /n最初に知らされた羊飼い  このニュースが最初に名もない貧しい、野宿をしていた羊飼いに伝えられたことにより、メシアがどのような方であるかが明らかにされます。 /nクリスマスおめでとう  なぜクリスマスはおめでたいのでしょうか。「今日・・あなた方(私達)の為に救い主がお生まれになった」日だからです。私達に命を与えて下さった神様は、命だけでなく全生涯を共に生きて下さることを知らせる為に御子イエス・キリストをこの世に送って下さいました。イエス様は救い主として生まれられた!まさに、罪の支配するこの世で生きる私達を(同じ地上にありながら)そこから救い出して神様の支配の下で生きるように移し換えて下さる道を備えられました。だから私達は御子イエス・キリストを信じることで、神と共に生きることが出来るのです。