「キリスト誕生への道」 佐藤義子 牧師

/n[イザヤ書] 11章1-10節 1 エッサイの株からひとつの芽が萌えいで/その根からひとつの若枝が育ち 2 その上に主の霊がとどまる。知恵と識別の霊/思慮と勇気の霊/主を知り、畏れ敬う霊。 3 彼は主を畏れ敬う霊に満たされる。目に見えるところによって裁きを行わず/耳にするところによって弁護することはない。 4 弱い人のために正当な裁きを行い/この地の貧しい人を公平に弁護する。その口の鞭をもって地を打ち/唇の勢いをもって逆らう者を死に至らせる。 5 正義をその腰の帯とし/真実をその身に帯びる。 6 狼は小羊と共に宿り/豹は子山羊と共に伏す。子牛は若獅子と共に育ち/小さい子供がそれらを導く。 7 牛も熊も共に草をはみ/その子らは共に伏し/獅子も牛もひとしく干し草を食らう。 8 乳飲み子は毒蛇の穴に戯れ/幼子は蝮の巣に手を入れる。 9 わたしの聖なる山においては/何ものも害を加えず、滅ぼすこともない。水が海を覆っているように/大地は主を知る知識で満たされる。 10 その日が来れば/エッサイの根は/すべての民の旗印として立てられ/国々はそれを求めて集う。そのとどまるところは栄光に輝く。 /n[マタイによる福音書] 1章18-25節 18 イエス・キリストの誕生の次第は次のようであった。母マリアはヨセフと婚約していたが、二人が一緒になる前に、聖霊によって身ごもっていることが明らかになった。 19 夫ヨセフは正しい人であったので、マリアのことを表ざたにするのを望まず、ひそかに縁を切ろうと決心した。 20 このように考えていると、主の天使が夢に現れて言った。「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである。 21 マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。」 22 このすべてのことが起こったのは、主が預言者を通して言われていたことが実現するためであった。 23 「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」この名は、「神は我々と共におられる」という意味である。 24 ヨセフは眠りから覚めると、主の天使が命じたとおり、妻を迎え入れ、 25 男の子が生まれるまでマリアと関係することはなかった。そして、その子をイエスと名付けた。 /nはじめに クリスマスは、「神の御子が、私達の住むこの地上に人として生まれられた」出来事を感謝して祝う日です。2000年もの長きにわたり 教会が存続し、全世界でクリスマスが祝われる理由を、聖書から学びたいと思います。 /n聖書 聖書は、創世記から黙示録までの66の書物から成り、約1500年かけて、無数の人によって書かれたといわれます。ヨハネ福音書ではイエス様が「あなたたちは聖書の中に永遠の命があると考えて、聖書を研究している。ところが、聖書はわたしについて証しをするものだ。」(5:39)と言われているように、聖書が指し示しているのはイエス・キリストご自身です。 /n預言の成就 本日のイザヤ書に「エッサイの株から一つの芽が萌えいで、その根から一つの若枝が育ち、その上に主の霊がとどまる」とありました。エッサイとは、後のダビデ王の父となる人です(マタイ1:6参照)。エッサイの子孫から一人の人物が出てくる。その人には神様の霊がとどまるとの預言です。さらに「一人のみどりごが私達のために生まれた。一人の男の子が私達に与えられた。権威が彼の肩にある。その名は、『驚くべき指導者、力ある神、永遠の父、平和の君』と唱えられる。」(9:5)と語られています。イザヤはBC8世紀に活動した預言者です。イスラエル民族は約700年余の間、親から子へ、子から孫へとメシア(救い主)待望の信仰を伝え続けてきました。そしてこの預言の実現の時がやってきたのです。 /nキリスト誕生への道 本日のマタイ福音書には、マリアの妊娠を知って苦悩するヨセフがおります。ヨセフは自分が正しく生き続ける為に、愛するマリアと別れることを決心します。しかしこれは人間側の思いです。神様の御計画は違いました。御子をこの世に遣わされるという神様の御計画が実現される為には、ヨセフは、マリアの夫として、又、生まれ出る子の父として、神様に選ばれ、必要とされていた人でした。ヨセフがマリアを受け入れるために、神様は夢という形で、ヨセフを導かれたのです。 /nヨセフの見た夢 ヨセフが夢で天使から聞いた言葉は、1.恐れずマリアを妻として迎えること。2.マリアの妊娠は聖霊によるものであること。3.マリアは男の子を産むこと。4.生れた子の名前はイエスと名付けること。5.この子は自分の民を罪から救う者となる、という五つのことでした。 /nイエスという名前 イエスは「主は救いである」という意味です。ここでは更に強められ「自分の民を罪から救う」と説明しています。罪とは神から離れている状態のことです。人間が神を神と認めず信じない、従おうとしない。その罪の故に神と人が断絶しています。主イエスの誕生はこの「人間の罪の赦し」と「再び神の元へ帰る道を備える救い」のためでした。又、「インマヌエル」=神、我ら人間と共にいます(イザヤ書7:14)の成就です。 /nクリスマスの喜びとは ほかでもない、この私が罪の世から救い出されて、神と共に生きることが出来るようにして下さった。この恵みと喜びを共に祝うのです。