「主が与えられる役割」 平賀真理子 伝道師

/n[詩編] 51編12-19節 12 神よ、わたしの内に清い心を創造し/新しく確かな霊を授けてください。 13 御前からわたしを退けず/あなたの聖なる霊を取り上げないでください。 14 御救いの喜びを再びわたしに味わわせ/自由の霊によって支えてください。 15 わたしはあなたの道を教えます/あなたに背いている者に/罪人が御もとに立ち帰るように。 16 神よ、わたしの救いの神よ/流血の災いからわたしを救い出してください。恵みの御業をこの舌は喜び歌います。 17 主よ、わたしの唇を開いてください/この口はあなたの賛美を歌います。 18 もしいけにえがあなたに喜ばれ/焼き尽くす献げ物が御旨にかなうのなら/わたしはそれをささげます。 19 しかし、神の求めるいけにえは打ち砕かれた霊。打ち砕かれ悔いる心を/神よ、あなたは侮られません。 /n[マルコによる福音書] 5章1-20節 1 一行は、湖の向こう岸にあるゲラサ人の地方に着いた。 2 イエスが舟から上がられるとすぐに、汚れた霊に取りつかれた人が墓場からやって来た。 3 この人は墓場を住まいとしており、もはやだれも、鎖を用いてさえつなぎとめておくことはできなかった。 4 これまでにも度々足枷や鎖で縛られたが、鎖は引きちぎり足枷は砕いてしまい、だれも彼を縛っておくことはできなかったのである。 5 彼は昼も夜も墓場や山で叫んだり、石で自分を打ちたたいたりしていた。 6 イエスを遠くから見ると、走り寄ってひれ伏し、 7 大声で叫んだ。「いと高き神の子イエス、かまわないでくれ。後生だから、苦しめないでほしい。」 8 イエスが、「汚れた霊、この人から出て行け」と言われたからである。 9 そこで、イエスが、「名は何というのか」とお尋ねになると、「名はレギオン。大勢だから」と言った。 10 そして、自分たちをこの地方から追い出さないようにと、イエスにしきりに願った。 11 ところで、その辺りの山で豚の大群がえさをあさっていた。 12 汚れた霊どもはイエスに、「豚の中に送り込み、乗り移らせてくれ」と願った。 13 イエスがお許しになったので、汚れた霊どもは出て、豚の中に入った。すると、二千匹ほどの豚の群れが崖を下って湖になだれ込み、湖の中で次々とおぼれ死んだ。 14 豚飼いたちは逃げ出し、町や村にこのことを知らせた。人々は何が起こったのかと見に来た。 15 彼らはイエスのところに来ると、レギオンに取りつかれていた人が服を着、正気になって座っているのを見て、恐ろしくなった。 16 成り行きを見ていた人たちは、悪霊に取りつかれた人の身に起こったことと豚のことを人々に語った。 17 そこで、人々はイエスにその地方から出て行ってもらいたいと言いだした。 18 イエスが舟に乗られると、悪霊に取りつかれていた人が、一緒に行きたいと願った。 19 イエスはそれを許さないで、こう言われた。「自分の家に帰りなさい。そして身内の人に、主があなたを憐れみ、あなたにしてくださったことをことごとく知らせなさい。」 20 その人は立ち去り、イエスが自分にしてくださったことをことごとくデカポリス地方に言い広め始めた。人々は皆驚いた。 /nはじめに  神様は、預言者を通して、罪の世界に陥った人間を救う「救い主」を世に送るという約束をされました。その約束は守られ、実現され、それが、イエス様の御降誕という出来事になったことを、私達はこのクリスマスに学びました。神様の「御言葉は必ず実現される」という性質に加えて、今日の聖書には「神様の霊」の特性が表れています。 /n神様が計画された人間  創世記に、人間は「神にかたどって創造された。」(1:27)とあります。それは、神様がこの世を創られ、その素晴らしい世界を共に楽しみ共に維持していく為に、気持を交流し、互いに良い働きかけができるという関係をもてる対象として人間を創ったということです。そして神様は人間に「御自身の命の息」を吹き入れられました(創2:7)。この「息」という言葉は、ヘブライ語で「霊」も意味する言葉です。人間は、「神の霊」を授けられて初めて「本物の人間」になるということです。 /n悪霊  今日の聖書では、超自然的存在、神様に従うことを拒否し、人にとりついて、わけをわからなくさせ、肉体を傷つける存在として「悪霊」が出てきます。ここでは「レギオン」(当時のローマ軍の5千人程の組織)と名乗ります。何千というおびただしい数で一人の男の人に取りついていたからです。彼は自らを傷つけ、その形相や行動は周りからも恐れられていました。すべては悪霊の仕業です。イエス様は、走り寄ってきた男に取りついている悪霊に向かって「この人から出ていけ」と命令されます。この言葉は実現し、悪霊は男から出て豚に乗り移り、約二千頭の豚が湖になだれ込み、おぼれ死にます。ここに私達は悪霊がもつ破壊のパワーのすさまじさと同時に、イエス様の霊の力と権威は必ず勝利することも知ることができます。 /nこの出来事に立ち会った人々の三つの反応  第一の、豚の飼い主達は、その経済的損失とイエス様の霊力を恐ろしく感じたことで、イエス様を否定し、町から排斥しようとします。第二の、この奇跡を見ていた人々は、神様を崇めるのではなく、奇跡の話題性によって横のつながりを求め、この出来事を伝えます。そして第三に、悪霊を追い出していただいた本人はこの出来事の価値を理解し、イエス様に従いたいと願い出ます。 /nイエス様の指示  正気に戻されてイエス様に従うことを求めた人に対して、イエス様は二つのことを指示されました。一つは自分の家に帰ること。もう一つは、身内に、神様が憐れんで下さったことと自分に起こったこの出来事を知らせることでした。イエス様に従いたいという信仰を表わすことにより、異郷の地での、福音宣教の役割をイエス様から授かったのです。 /n私達の「霊」の中心  私達に与えられている「霊」の中心に、「神様の霊」を置くにはどうすれば良いのでしょうか。一瞬の幸せに惑わされて、「霊」の中心を「神の霊」以外のものに明け渡す時、後に待っているのは、破滅や孤独です。詩編51:19には「打ち砕かれた霊」「打ち砕かれ悔いる心」という言葉が記されています。自分の殻、傲慢さが打ち砕かれた時、はじめて主なる神様が来て下さる受け皿が整えられる。自分の罪深さを深く認識することによって、そこから抜け出たいと思うようになる。にもかかわらず自分ではどうにもできない、神様なしではどうにもならないという心からの悔い改めが起こり、主なる神様を求める心が強くされ、「霊」の中心に神様をお迎えする土台ができる。そして、神様への呼びかけの回路を修復するために贖いとなって下さったイエス様の福音を信じることができるようになる。さらに、自分だけにとどめるのではなく、周りに宣べ伝える・・。そのような信仰の形ができてきます。 /n主が与えられる役割  私達は打ち砕かれた霊を献げものとして、主が与えてくださる各々の賜物に従った役割を悟れるように祈り求め、その役割に努め、主の栄光にあずかる者として歩み進んでいかれるよう、祈ってまいりましょう!