「ヨハネの誕生」  牧師 佐藤 義子

イザヤ書40章3-5節 ルカによる福音書 1章5-25節、57-66節 /nはじめに 待降節に入り、2本目のローソクに火がともりました。 今日でこの伝道所で礼拝を始めて九周年を迎えました。九年間の、神様の溢れる恵みを感謝すると同時に、今なお私のような者が牧師として立てられていること、神様が真理子先生を伝道師として与えて下さっていること、九人の会員が与えられていること、そしてこのクリスマスにお二人の方がバプテスマを受けられ、私達の群に加えられるという喜びが与えられていること等、これらの大きな恵みに只、只、神様に感謝をささげるものです。 願わくは、今日で471回目の礼拝をささげる仙台南伝道所が、やがて1000回、2000回目の礼拝へとつなげられ、この地域にあって しっかりと根を張り、神様の御栄光を表わしていく教会へと成長させていただけるように、共に祈っていきたいと思います。 /n捕囚からの解放 本日の旧約聖書イザヤ書は、バビロンに捕囚の民として捕らわれていたイスラエルの民に解放の予告が宣べられている箇所です。「呼びかける声」(3節)は、「主の為に(私達の神の為に)、荒れ野に道を備えよ、荒れ地に広い道を通せ」と呼びかけます。道路整備の目的は、エルサレムに帰ってくる捕囚イスラエルの民の為ではなく、神様の救いの活動がスムーズに 行われる為です。「道なきところに道を作り、でこぼこの道を平らにする」とは、イスラエルの民が、長い間の異国での捕囚生活で、不信仰、不従順、偶像崇拝などの罪を、神様の前に悔い改めて、それらを全て取り除き、「神の民としてふさわしい礼拝者となる」ことを意味します。  この時の、荒れ野に叫ぶ声が、それから約500年後、再び、荒れ野でひびき渡ることになります。それは、神様の独り子が救い主として地上に遣わされるという、神様の壮大な救いの御計画が、いよいよ実現する時を迎えたからです。それに先立って、人々の心がメシア(救い主)をお迎えするにふさわしくなる為に、その準備する者として選ばれたのが、祭司ザカリヤと妻エリサベトの夫婦によって生まれ出る子供でした。 /n誕生の予告  ザカリヤとエリサベトは「二人とも神の前に正しい人で、主の掟と定めをすべて守り、非の打ちどころがなかった」(6節)夫婦でした。ただ二人は子供に恵まれないまま年を重ねておりました。この年、祭司ザカリヤが聖所で香をたいていた時、突然、香壇の右に立った天使から、夫婦に男の子が与えられること、生まれ出る子には「ヨハネ(神は恵み深くありたもうの意)」と名付けるように、と言われます。そして生まれ出る子は、この世から分けられ、ただ神にのみ仕える者となり、その誕生の始まりから聖霊に満たされており、父と子供達の関係の回復、及び、神に逆らう者を、「神に立ち帰らせる」使命が与えられていると伝えます。 ザカリアは天使の言葉を信じることが出来ず、その「しるし」を求めたために、この予告が実現する迄「おし」になります。そしてすべてが天使の言った通りとなった時(二人が幼子に「ヨハネ」と名付けた時)、ザカリアの口はゆるみ、讃美と預言の言葉を語り出しました。 /nヨハネのメッセージ 成長したヨハネは、荒れ野に呼ばわる声として、不信仰、不従順の人々に、神のもとに立ち帰るように悔い改めを迫り、人々が救い主を受け入れる為の心の準備をさせて、最後はヘロデ王によって殺されました。 私達はこの待降節の時、「悔い改めにふさわしい実を結びなさい」と語った洗礼者ヨハネの言葉に耳を傾け、遅い信仰の成長を悔い改め、イエス様をお迎えするにふさわしい過ごし方をしたいと願うものです。