2023年7月23日の説教要旨 ヨシュア記2:1-14・フィリピ4:1-3

            「女性たちの働き」       加藤 秀久牧師

*はじめに

 私達の歩みの中で、誰か身近にいる人から助けられ、助けて下さった人の背後に、(その時は分からなくても、後で)神様の働き、神様の支えを感じたことがあるかと思います。私の場合、人生で何か変化が起ころうとしていた時、神様は、その変化を私の思いの中で教えて下さり、同時にそのことが行なわれる為、身近にいる人達を送って、私を神様のご計画された道を歩むように、進めるようにして下さったことを思います。

*モーセの後継者ヨシュア

本日のヨシュア記一章には、モーセが亡くなった後、神様はヨシュアに、「一生の間、あなたの行く手に立ちはだかる者はないであろう。わたしはモーセと共にいたように、あなたと共にいる。あなたを見放すことも、見捨てることもない。」と告げました。神様が約束されたカナンの地に入るために、ヨルダン川を渡った後、最初の攻め込む町がエリコでした。エリコは大きな町でカナン征服の鍵を握っており、この戦いは重要な意味を持っていました。町には、敵の攻め込む隙がないような頑丈な城壁が造られていたので、ヨシュアは前もって注意深く作戦を立て、慎重にエリコの町に入る下準備をしたことが1章に記されています。本日の2章では、一人の女性が登場し、神様の計画が進むために手助けしたことが記されます。

*ラハブという遊女

ヨシュアは町の正確な情報を得るために、二人の斥候(せっこう・偵察隊)を遣わしました。偵察隊は目的を果たす為「ラハブという遊女の家に入り、そこに泊まった」(2:1)。ところがエリコの王に「イスラエルの何者かがこの辺りを探る為忍び込んできた」と告げる者があり、王は人を遣わして、探りに来た者を引き渡せ、とラハブに命じました。しかしラハブは二人をかくまい「その人達は出て行った」と答え、追っ手は二人を求めて捜しに出て行きました。ラハブは二人が寝てしまわない内に、屋上に上って言いました。「神様がこの土地をあなた達に与えられたことで、私達が恐怖に襲われ、住民は皆、おじけづいていることを私は知っている」。さらにラハブは、「イスラエルの民がエジプト脱出後、イスラエルの神が海を干上がらせたり、旅の途中で国々を滅ぼしてきたことを聞き知っているので、エリコでは皆、心は挫けてあなた達に立ち向かう者はいないこと、イスラエルの神こそ、天から地に至るまで神である」と、告白しました。そして「エリコを占領する時、私の一族の命を救って下さい」と頼みました。偵察隊の二人は、「自分達のことを言いふらさないなら、神様がこの土地を我々に与えられる時、あなたに誠意と真実をしめそう」と約束しました。その後ラハブは窓から二人を城壁の外側に綱でつり降ろし、二人を助けました。神様はこのように一人の女性を遣わし、神様のご計画がうまく行くようにして下さったのを見ることができます。

*エポディアとシンティケ

 本日のフィリピ書4:1と少し前で、パウロは自分が愛し、慕い、又、喜びであり冠である教会の人々に、イエス様を信じることは私達の行くべき場所が天国にあること、この今ある生活の中で、どのような状況にあっても神様に信頼を置き、主によってしっかりと立ちなさい(4:1)」と呼びかけています。続く2節でこの二人の名前が登場し「主において同じ思いを抱きなさい」と命じます。彼女達はフィリピ教会の初期メンバーであり、リーダー的な働きをしていたと思われます。何かもめごとが起き、そのことで互いに避けているならば、再びかつてのような関係、神様の福音を宣べ伝える者になれるよう期待しています。3節で「二人は他の協力者逹と力を合わせて、福音の為に私と共に戦ってくれた」と紹介し「真実の協力者よ、あなたにもお願いします。この二人の婦人を支えてあげて下さい」と教会員にも頼んでいます。その後二人は、神様の道を歩み、前を向いて進んだと思います。なぜならそこには、神様の与えられた道があるからです。 家族や友人のことで、今は私達の心が騒いでいても、いつかは相手を思い合える感情が生まれてくることを信じて、私達は神様に祈り、讃美を続けていく必要があると思います。

今週も皆様の上に、主の豊かな栄光が輝いているようにお祈り致します。